相続への対応
(1) 「単純承認」とは?
相続人が無条件で被相続人の債務を含む全ての財産、権利・義務を承継することです。
(2) 「法定単純承認」とは?
以下のいずれかの事情があった場合に単純承認をしたものとみなされる制度です(民法921条)。
- 相続人が相続財産の一部または全部を処分したとき
- 相続人が相続開始を知った時から3ヶ月以内(民法915条1項)に限定承認・相続放棄もしなかったとき
- 限定承認または放棄をした者が、その後に相続財産の全部または一部を隠匿し、ひそかにこれを消費し、または悪意で財産目録に記載をしなかったとき
(3) 「相続放棄」とは?
被相続人の財産を一切相続しないことです。
(4) 相続放棄の手続の方法
相続開始を知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出して行います。
◆注意点
- 遺産を処分、消費、隠匿しないこと(単純承認)
- マイナス財産だけを放棄することはできません
- いったん相続放棄をすると、原則として撤回・取消はできません
- 他の法定相続人へ影響が出ることがあります(子が相続放棄することで兄弟が相続人となる、他の相続人の相続分が増加するなど)
(5) 「限定承認」とは?
相続財産を責任の限度として相続することです。
例えば、被相続人に預金1000万円、債務500万円がある場合、債務額500万円限度である預金500万円のみを相続する方法です。
【民法922条(限定承認)】
「相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる」
実際に利用されるケースは多いとは言えませんが、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか不明な場合の1つの選択肢と言えます。
◆デメリット
- 相続人全員で行う必要があります
- 手続が煩雑です
- 債務弁済のための資産の処分方法に制限があります
- 資産に不動産があると、みなし譲渡所得税が課税されます
