1、遺産分割の手続
遺産分割の手続として、①遺言による分割、②協議による分割、③調停による分割、④審判による分割があります。
- 遺言による分割
被相続人は、遺言で遺産分割の方法を定めることができます(民法908条)。
遺留分を侵害する遺言は、遺留分減殺請求を受ける可能性があります。 - 協議による分割
共同相続人全員の合意によって遺産を分割する方法です。
口頭の合意であっても遺産分割は成立しますが、協議の内容を証明するため、「遺産分割協議書」を作成するのが通常です。遺産分割協議書には、共同相続人全員が署名・押印しなければなりません。 - 調停による分割
共同相続人間で協議がまとまらないときや協議できないときは、家庭裁判所に遺産分割の請求ができます。分割の請求は、いきなり審判の申立てもできますが、まずは調停の申立てを行うことが一般的です。
調停分割の本質は協議による分割ですが、調停委員が話し合いの斡旋をしてくれること、合意が成立した場合に作成される調停調書には確定した審判と同一の効力がある(=強制力がある)という点で協議による分割とは異なります。 - 審判による分割
調停が不成立となった場合、審判手続に移行します。審判分割では、最終的には、家庭裁判所の裁判官が分割を定める審判を下します。この審判には強制力があります。
2、遺産分割の方法
遺産分割の方法として、①現物分割、②代償分割、③換価分割の3つの方法があります。
- 現物分割とは?
個々の財産の形状や性質を変更することなく分割する方法です。
例えば、相続人A・Bがいて、遺産が土地3筆のみであった場合、Aが土地2筆を、Bが土地1筆を取得する場合などがこれにあたります。 - 代償分割とは?
一部の相続人に法定相続分を超える額の財産を取得させた上、他の相続人に対する債務を負担させる方法です。
例えば、相続人A・Bがいて、遺産が土地3筆のみであった場合、Aが土地3筆を取得し、その代償として、AがBに対して500万円を支払う場合などがこれにあたります。 - 換価分割とは?
遺産を売却等で換金した後に価格を分配する方法です。
例えば、相続人A・Bがいて、遺産が土地3筆のみであった場合、土地全てを売却しその売却代金をA・Bで分配する場合です。
